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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人は反逆者 第6章 ②ヒーローの敗北 「すまない、これは僕の腕でも繋ぎ止めることは出来ない。 切断するしか道はないだろう」 冥土帰しから残酷な現実を告げられてから数時間、上条は病院のベッドの上で眠っている。 しかし上条の左肩から先は存在しない。 前方のヴェントに敗北した上条は徹底的に痛めつけられ蹂躙された。 ヴェントの天罰術式によって昏睡した美琴の目が覚めた時には上条はすでに虫の息の状態だった。 奇跡的に一命を取り留めたものの上条の体の損傷は大きく、特に左腕は冥土帰しを以ってしても修復することは不可能だった。 しかし上条もただ敗北したわけではなく、ヴェントの天罰術式の霊装を破壊しヴェント自身を撤退させることに成功していた。 そして上条が眠る病室には三人のレベル5が重苦しい空気を放ちながら集結していた。 その中の一人である美琴は上条の残された右手を握りながら、涙を流して祈るように目を閉じていた。 「私が当麻のことを守れれば…」 悔やむような美琴の呟きに、レベル5の一人…垣根帝督は諭すように言った。 「だから何度も言ったろ、第三位。 あの魔術には上条以外どうやったって抗うことが出来なかった。 いくら悔やんでも結果が変わるわけじゃねえんだぞ」 しかし垣根の言葉は美琴に届いた様子はない。 そして残るレベル5の一人…一方通行は何処か怪しむように垣根のことを見据えていた。 「てめェ、一体何を知ってやがるンだ? それに俺のことを屑だと言いながら、どォして助けるよォな真似をしやがった?」 猟犬部隊のリーダーである木原数多に敗北した一方通行と打ち止めを救い出したのが垣根だった。 一方通行も相当な重症を負っていたが今は治療を終え、体のあちこちに包帯を巻いているものの歩けないほどではなかった。 「第一位、てめえは俺がもっとも嫌悪するタイプの人間の一人だ。 圧倒的な力を持ちながらも、自分より遥かに劣る弱者をてめえの勝手な都合で嬲り殺してきた。 確かに俺にはてめえのような屑を助ける義理なんて全くねえよ」 「…」 「だが、てめえの隣にいる女の子まで見殺しにしていい理由にはならねえ」 垣根は一方通行の隣に立っている打ち止めを横目で見ながら言った。 「…それに俺は確かにてめえが嫌いだが、てめえが自分を殺して変わろうとしてることも知ってる。 その証拠に木原以外の人間は殺そうと思えば簡単に殺せたはずなのに止めを刺そうとしなかっただろう? 人によっちゃあ甘いって言うのかもしれねえが、以前のてめえから見れば少しは変わったって証拠だろ」 「チッ」 (アレイスターの直属部隊を潰しても何のお咎めもねえし、一体どうなってやがるんだ? それに科学と魔術の敵対の構図がここまで表面化しちまった以上、 俺や上条たちが目標とする学園都市の上層部を潰す計画も遅れることは必須だろう。 あれ以来あの人との連絡も取れねえし、まあ今は様子見をするしかないんだろうな) それ以降は一方通行と垣根の会話が続くことはなかった。 そして会話のない病室には上条の心電図の音だけが響いていた。 上条が目を覚ましたのは学園都市にヴェントが襲撃してから二日後の10月2日のことだった。 学園都市で起きた事件は謎のテロリストが起こした事件として発表され、 死亡者が出なかったと発表されたことから多くの人間が昏睡に陥った大事件であったものの 9月30日の事件が人々の記憶に深く残ることはないのだった。 上条が目を覚ますと美琴は上条に大まかな事件の顛末を話した。 「…そうか、特に混乱も起きてないのか」 「…うん」 「でもまだ安心することは出来ないな。 あの敵意を抱いた人間を無条件で昏睡させる霊装は何とか壊せたけど、いつまた襲ってくるか分からねえし」 「…ねえ、当麻」 「どうした?」 「二人で逃げよう」 「美琴?」 「もう過去のことは全て忘れて二人だけで暮らすの。 科学とか魔術とかそんな危険なことにもう関わる必要はないよ」 「…」 「いつかは子供も出来て、その子供が結婚したら孫も生まれて… 本来の人の幸せってそういうことでしょ? 誰か見知らぬ人のために頑張る必要なんてない、二人の幸せだけ考えようよ」 「…それもいいかもな」 「でしょ?」 「俺達って都会育ちだし、田舎に行って自然に囲まれて…」 「うん!!」 「確かに俺は少し気張ってたかもしれない。 俺が一番に幸せにしたいのは美琴なんだから…」 「…当麻」 「…でも、美琴を本当に幸せにするためにも俺は逃げるわけにはいかない」 「え?」 「自分じゃ気付いてないかもしれないけど、美琴って夜に魘されて涙を流してるんだ」 「…」 「それに俺はまだ本当の美琴の心からの笑顔を見たことがない。 そんな状態で逃げても、俺はきっと本当の幸せを美琴に与えることが出来ないと思う。 アイツらが狙ってるのは学園都市だ。 でも学園都市の上層部だけじゃない、学園都市そのものを破壊しようとしている。 そうすれば俺達の大事なものまで壊されちまうかもしれない」 「…」 「そうしたら美琴は優しいから二度と笑えなくなる。 そして美琴が笑えなくなったら、俺も幸せになることなんて出来ないよ」 「…当麻」 「だから俺は他の誰のためでもない俺と美琴の幸せのために戦う。 …ごめん、これは俺の我侭だ。 だから美琴は安全な場所で、俺の帰りを…」 しかし上条が言い終える前に美琴が上条の口を塞いだ。 「私こそ、ごめんね。 当麻が目の前で死に掛けてたのを見て、自分を見失ってた。 だからそれ以上は言わないで、今度こそ私は当麻の隣で戦って当麻の背中を守るから」 そう言って美琴は上条のことを抱きしめた。 上条も美琴のことを抱きしめ返そうとするが、今になって左腕がないことを痛感する。 (でも俺にはまだ右腕がある。 そして例え右腕を失っても戦いようはあるはずだ。 だから俺は逃げない、本当の意味で美琴を幸せにするまでは…) 上条は残された右腕で左腕の分も心を込めて美琴のことを抱きしめながら誓う。 そんな二人の下に冥土帰しと一人の「人間」が現われる。 男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える「人間」と対面した時、 二人の反逆者の物語は次のステージへと進む。 科学と魔術の均衡が崩れる時、新たな物語が幕を開けようとしていた。 第一部完 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人は反逆者
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸なHappy days 御挨拶 第二章 御挨拶 (私、上条当麻は美琴大好きな人間である) おい、懲りろよ。いまの状況考えろよ。 上条はなんか高級そうな食事をしていた。 心配するな諸君!! テーブルマナーは美琴のおかげで完璧なのだ。 そのため、現実逃避もできてしまう。 (……美琴の親だわ) 「不幸の代わりに大好きだと叫ぶ! くっく、あははははは! それが習慣になってるなんて、とんだバカップルね、あっはっはっはっは、ひーっ!」 『がっはっはわっはっはー』と戦国武将のように笑う御坂ママ、美鈴。 上条は御坂との最初の出会い、自販機前の事を思い出していた。 その武将の横にはマフィア、いや御坂パパ、旅掛が座っている。 彼女のパパさんってだけで恐いのに、ガラ悪すぎだろ。 しかも顔に影が入っています そして、目がやきもち焼いている時の美琴と同じだ。 (そりゃ、初対面の人間が 「娘を呼び捨て」 「大好きだ宣言」 「その後に、付き合っています発言」 「さらに愛しの娘来ません報告」 ……うん、間違いなく誰でもキレるわこれ) 意外と冷静な上条。 彼は腹をくくっていた。 (高校生で死ぬとは、短い一生だった) 変な方向に。 っていうかお前さんすでに二回は死んでるだろ。 上条は窓の外を見た。 (空が……青い……) 同時刻、美琴も同じ感想を抱いていた。 コツッ、とグラスが置かれる音が聞こえ、 美琴はあわてて視線を空から正面に移す。 また、現実逃避したようだ。でも、仕方ないだろう。 彼氏の御両親と旅館で一緒に食事をしているのだから。 (……しかも援護なし) こんなはずではなかった。 挨拶の第一声は 「御無沙汰しております。改めまして、御坂美琴と申します」キラキラ だと決めていたのに……。 (あーもう!! 当麻大好き!!) いやだから懲りろよ。 (あれから、お義母さまお話にならないし……) そうやってビクビクしていたら、ドタバタと音がした。 何事かと廊下を見たら、お義父さまが仲居さんに押し倒されている。 「あぁ、すみません、大丈夫ですか!!?」 「お気になさらず。そちらこそ怪我はありませんか?」 「……えっ、あ、はい、大丈夫です!!」////////// 心なしか仲居さんの顔が赤い。 (ああ、親子だな) 美琴さん、彼氏の両親の前でその顔はいかがかと……。 「あら。あらあら刀夜さん、またですか、またなのですか、またなのですねの三段活用」ゴゥ!! あっ、口を開いた。 「か、母さん!! これは私のせいではありませんのことよと言いますか、 全然うれしくはないわけではないといえどもごめんなさいでやんす」 二人とも完璧に上条の親だった。 あのニッコリ笑顔でキレられるとこわいのよねー。 などと、お義母さまに遠くにいる彼氏を重ねて見ていたら、向こうもようやくひと段落ついたようだ。 「改めまして美琴さん、当麻がいつも世話になっています」 お義父さま、頬の紅葉マークで台無しです。 そんな感情を押し殺し、 「いえ、こちらこそいつも迷惑をかけてしまって」 なんて社交辞令。 そして美琴はお義母さまの方へ視線を移す。 「……苦労、なされていますね」 「あらあら、当麻さんもですか」 ふふふふふふふふ、と暗く笑う女性陣に、 上条刀夜の背筋が震えた。 (何だ、何だ?) なにかしら冷たい波動を受けた上条当麻は周囲を見回す。 まあ、発信源は御坂パパに違いないだろう。 ちなみに御坂ママはまだ笑っている。 「……当麻君」 そらきたー、今から会いに行くよ昔のオレ。 などと思っていた上条は次の瞬間、 「美琴ちゃんはかわいいよね~!! 負けず嫌いで、涙目になって頑張るところや、 照れ屋で、恥ずかしくて顔を真っ赤にするところとか、 実はか弱いのに強がっちゃうところとかさー……」 開いた口がふさがらない。 そのころ、美琴も変な顔になっていた。 しかしお義母さまはまだ続ける。 「それは昔からでして、 どんな子にも手を差し伸べていたし、 どんな困難にも立ち向かっていったんです。 本当は危ないことして欲しくなかったのですが、 正しいと信じて行動する時、子供とは思えないほど凛凛しくて……」 上条も美琴も別の場所で同時に混乱ている。 しかし、 「そんなかわいい美琴ちゃんに……」 「そんなふうに頑張っていた当麻さんが……」 二人は、空気が変わるのを肌で感じた。 「お前さんは相応しいのか?」 「いつのまにか周りの人に、ある名前で呼ばれるようになりました。それが、」 「「疫病神」」 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸なHappy days
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プロローグ とある朝いつもより早く目が冴えてしまった。というより、あまり眠れていないと言ったほうが近いのだろう。 「あァ、こんなンでいいのかァ…」 学園都市第一位『一方通行』は考える。 自分が光を求め手にした今の生活しかし… 今まで研究とはいえ散々な殺しを続けてきた自分が 今更光を求めるなど… 「本当に今が求めていた最高なンで「おっはよーうってミサカはミサフゲェェ」 「うるせェーンだよ。部屋入る時は、ノックしろって言ってンだろうがァ」 「ふぉめんなふぁいっふぇミふぁふぁふぁミふぁふぁふぁあやふぁってふぃふ」 「なンなンですか?飯なンですか?ごはンなァーンですか?」 「せいかーい!!ってミサカはミサカはテンション高めで言ってみたり!!ところで毎度毎度ノックするのはメンドーイって ミサカはミサカは抗議してみる。」 「あン…それはだn「あぁそっか!男の子だもんね!朝はつらい時もあ、る、よね、って鬼の形相の、アナタを、みつ、めてみ、る…」 「どォーこォーでェーそんな事をならったんですかァ?打ち止めちャァーン」 「えと…テレビかな?ってミサカはミサカは逃げに転じて猛ダッシュ!!」 「チッ、後でお仕置きだn!!」 不意に口を閉じる。 こんな悪党が日常でこんなにもナマ温くなってしまったのかと… 「ハァ…コーヒー飲むかァ…」 一方通行は思う。あの時にもし考え方を変えていられたらと。 一方通行は嘆く。なぜあんなことをしたのかと。 一方通行は考える。なにかあの時に戻れる。そんな方法はないのかと。 パート2 「あるんだよ」 「あァ?」 「だからあるんだよ」 白い修道女『禁書目録』ことインデックスは言う。 ・ ・ ・ 最近、一方通行はライバルであった『幻想殺し』を持つレベル0上条当麻と 親しい(?)友好関係を築いていた。もちろん妹達の事も許していた。 今は、互いの居候について話し合ったりしている。まるで公園で話し合う母親たちのようだ。 しかし、今上条はいない。先程、学園都市第三位『超電磁砲』の御坂美琴に 「勝負よ!!今日こそ勝つからね!!覚悟しなさい!!」ビリビリ 「ゲッ、ビリビリ!えぇ…もう知りません…なんだかもう日常的になって不幸とも思えなくなってきましたよ」 「じゃーいーじゃないの!勝負よ!勝負!!」 「そもそもなんで上条さんにばっかつきまとうんだよ!!いくら上条さんが生死の堺をさまよったってラブコメに繋がらないの! あ~泣けてきた…不幸だ…」 「・・・・る・もし・・ない・・いじゃ・・いの」 「なに?聞こえねぇよビリビリ?」 「繋がるかもしれないじゃないのってぇいってんのぉぉぉ!!」 「バカ!!超電磁砲乱発すんなぁぁぁ!!」 「少しは、あたりなさいよぉぉ!」 「あァーー平和ァですねェー平和ァ」 「おぃぃぃ!!一方通行!!これを見て平和だっていうならお前の眼は節穴だぁぁぁ」 「三下ァ、俺が超電磁砲に加勢しないだけありたがく思いやがれェ」 「ふぅぅこぉぉうぅぅだぁぁぁぁぁぁ~~~~」 と言い人混みの中へ(というより人込みをかき分けて)進んでいった。 今は、打ち止めもいない。 お昼寝を寮でしている。決して口ぐせが面倒だから登場させないわけではない。 従って今は、一方通行と白いシスターしかいない。 「空気なんだよ」 「おわァ!いたのかァ、まっシスター…」 「むぅー、その名前にはあなたには言われたくなかったかも。そして絶対読者は、私がいなかったと思っているかも!!」 「作者に言えェ…作者にィ・・・」 しばし沈黙が生まれる。 沈黙を破ったのはインデックスだった。 「あくせられーたーは、変えたい過去ってある?」 一方通行の体がビクンと跳ね上がった。一瞬このまっシスターが記憶操作系の超能力者と錯覚するくらいだった。 「なンでだァ…」 「神の声が聞こえた気がしたからだよ」 「(やっぱタダもンじゃァねェのかァ?)そんな都合のいいもンねェだろ」 「あるんだよ」 「あァ?」 「だからあるんだよ」 その言葉に一方通行は体を強張らせ、少しばかりの希望を抱いた。
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(3−1) 季節外れの暑さに見舞われた秋晴れのある日、とある建物のとある一室に2人の美少女と 平凡そうな1人の男子高校生がテーブルを囲んで座っていた。扇風機がウィンウィンと音 を立てながら回っているものの少しも涼しくならないせいか彼らはイライラしている様子 だった。 そしてついに一人の美少女が大声をあげた。 「なんなのよーっ。この扱いの違いは!」 「仕方ありません、とミサカは諦め口調で呟きます」 「全くなんで私達が扇風機しかない相部屋なのよ。納得できないわ」 「何ブツブツ文句言ってやがる。俺の部屋なんてただの倉庫だぞ。窓一つねぇぞ! ここが気に入らねぇなら替わってやるよ」 「遠慮する。あーあ、今頃秋沙はクーラー付きの個室でくつろいでいるのよね。きっと」 「「「 はあぁぁっ 」」」 大きなため息をつく上条、御坂美琴、御坂妹であったがその姿は滑稽でしかない。 上条達は今学園都市にある巨大遊園地クラウンパレスに来ている。 とはいえ上条達は客として来ている訳ではなかった。 上条、御坂美琴、御坂妹はそれぞれライオンの王様、キツネの王妃様、ウサギのお姫様の 着ぐるみを着て特設ステージ裏の控え室にいる。 頭部を外しているとはいえ通気性の悪い着ぐるみを着た3人の額には珠の汗が光っている。 とはいえ上条達はアルバイトとして来ている訳でもなかった。 秘密結社キシサクマアがこの遊園地で行うと予告した犯行を阻止するためである。 「総司令(ラストオーダー)も何考えてんのよ。犯行予告があったんならここを休園にす りゃ良いだけの話じゃない。何でわざわざ相手に合わせるのかしら?」 「上位個体は『面白ければ良い』としか思っていないのでしょう、とミサカは上位個体に は何を言っても無駄でしょうと思いつつお姉様に相槌を打ってみます」 一週間前、画面に大写しされた男は例のごとく高笑いしたあと次の犯行を予告してきた。 「貴様達!ヒヨコ爆弾を処理したからといっていい気になるんじゃない。あんなものは 小手調べにすぎないのよな。次の標的は学園都市最大の遊園地クラウンパレスなのよ。 週末そこで行われるキャラクターショーに乱入してショーを見に来た子供達の夢を破壊 してやるから覚悟しておくが良い。 貴様達に我々の行動を止めることなぞ出来んぞ!うわっはっはっは─────っ!」 「「「「 はあぁぁぁぁっ 」」」」 例によってあまりのくだらなさにため息しか出ない上条、御坂美琴、姫神秋沙、御坂妹で あったが総司令(ラストオーダー)だけはなぜかやる気満々だった。 「秘密戦隊『Railar(レイラ)』の諸君! 我々は秘密結社シキサクマアの野望を打ち砕かなければならない。 諸君の健闘を祈る、ってミサカはミサカは張り切って皆を激励してみる」 「総司令(ラストオーダー)!そんなことしなくても犯行予告があったんなら、その日は そこを休園にすれば良いだけでしょ。何でわざわざ相手に合わせるのよ!?」 「休園なんてしたらショーを観たいっていう子供達の夢を奪うことになるの。そうなった らその日を楽しみにしている子供達がどれほどショックを受けるかお姉様は想像できな いの?ってミサカはミサカは真剣な目でお姉様に反論してみる」 「うっ、そう言われればそうだけど………判ったわよ。やりゃぁ良いんでしょ!」 「ありがとう。それじゃお姉様達だけ働かせる訳にはいかないから今回のミッションには 私も参加するのって、ミサカはミサカは総司令自ら現場に出動することで部下思いの一 面を見せてみたりして」 「ラストオーダー!ホントは自分がショーを観たいだけじゃないの!?」 「えへっ!そうなの。ホントは遊園地のキャラクターショーって一度見てみたかったの ってミサカはミサカはキラキラ目を輝かせてつい本音を打ち明けてみる」 「それなら私達を巻き込まないで自分でお金を払って見に行けばいいでしょ!」 「だって、あの人は全然家には帰ってこないし、黄泉川も芳川も忙しいの一点張りで連れ て行ってくれないんだもの、ってミサカはミサカは日頃の不満をぶちまけてみる」 「あんたが普段何しているかは知らないけど、それって公私混同って言うのよ」 「それじゃあ、お姉様も納得してくれたということで本ミッションの説明を始めるのって ミサカはミサカは強引に話を進めてみる」 「こら!私は納得してないわよ!」 文句を言う御坂美琴を無視して総司令(ラストオーダー)の説明は続き、犯行が予告され たこの日上条達はつつがなく遊園地クラウンパレスに送り込まれたのだった。 (3−2) 「いくら任務とはいえこんな着ぐるみ着せられたんじゃテンション下がっちゃうわね」 「学園都市とはいえ着ぐるみにまで先端技術が活用される段階には至っていないのですね とミサカは遠回しに暑いと愚痴ってみます」 「秘密結社キシサクマアの犯行を防ぐためだからって何で私達が着ぐるみの中に入らない といけないのかしら?」 「不測の事態に備えて出演者の安全を確保するためだそうです、とミサカは上位個体が口 にした取って付けた理由を反芻してみます」 「じゃあ、観客の安全はどうすんのよ?」 「それは総司令が身体を張って警戒するから大丈夫だそうです、とミサカは上位個体を全 く信用していない口調で報告します」 「それでラストオーダーは観客席の最前列に座っていたのね」 「違うな!あれはただ単にショーを楽しみたいだけだ。左手にジュースを持って膝の上の ポップコーンを右手でバクバク食ってちゃ周囲の警戒なんてできる訳ないだろ!」 「「「 はあぁぁぁぁぁぁっ 」」」 またまた3人からは長いため息が漏れた。 「本当になんで秋沙だけがクーラー付きの個室なのよ。もう!」 「仕方ありません。なんと言っても本日のショーは『超機動少女カナミン=ダイバージェ ンス=』ショーなのですから、とミサカは同じ文句を繰り返すお姉様にウンザリしなが ら同じ返事を返してみます」 「それは分かってるけど……だからってなんで私達には扇風機一台なのよ!」 「それも仕方がないことです。私達着ぐるみ隊は所詮カナミンショーが始まるまでの前座 に過ぎませんから、とミサカはお姉様にもういい加減にして下さいって感じで呟きます」 ドンヨリとした空気が満たす上条達の控え室に遊園地のスタッフの声が響いた。 「着ぐるみ隊の皆さん。そろそろ出番で〜す!」 「「「はあぁ──い」」」 やる気の無さを醸し出す気の抜けた返事をした3人は渋々重い腰を上げた。 20分後。 「うだあぁあぁぁーっ!」 ステージ裏に戻ってきた上条は着ぐるみの頭部を外すなり絶叫した。 クラウンパレスのイメージキャラクター達によるショーが終わったステージは次のカナミ ンショーに備えて舞台転換中であり今はスピーカーから流れる軽快な音楽が特設ステージ を満たしている。 「なに騒いでんのよ!あんたは。鬱陶しい!」 「暑いんですよ。見て下さい。滝のように流れ落ちるこの汗!季節は秋だって言うのに何 で今日はこんなに暑いんですか?上条さんへの嫌がらせですか?」 「先日の台風がもたらしたフェーン現象のために本日関東地方では最高気温が30℃を突 破することが予告されています、とミサカは淡々と報告します」 「言っとくけど、私達だって暑いのよ」 「何言ってんだ!お前達なんかイスに座って手を振っていただけだろ!俺なんて会場中を 走り回されたんだぞ。なんで王様がバク転までしなきゃなんねぇんだよ!」 「しょうがないでしょ!そう言うキャラ設定なんだから」 「もう上条さんはボロボロです。これがあと2ステージもあるだぞ。 やってられるかあぁあぁぁぁぁっ!」 「男でしょ!諦めなさい」 廊下で上条達が騒いでいると『姫神秋沙様控え室』と書かれたドアが開き姫神秋沙が顔を 覗かせた。 「お疲れ様。上条君」 「どうして私達には労いの言葉が無いのかしら?」 「そこはかとなく感じる悪意は気のせいでしょうか?とミサカも遠回しにお姉様と同意見 ですと呟いてみます」 御坂美琴と御坂妹の会話は無視して姫神秋沙は話を続けた。 「暑かったでしょ。上条君。 どう?次の出番まで私の控え室で涼んでいく?クーラー効いているわよ」 「クッ、クーラー!?俺もそっちに入って良いのか?姫神」 「もちろん。それに冷たい麦茶もある」 「麦茶まであるのか?ごくっ……。姫神様!!この上条はあなた様の下僕です。 是非とも姫神様のお部屋にぐあげはぁひゃあぁぁぁー!」 「あっ、ゴメン!手が滑ったわ」 「ゴォラーッ!御坂。どう手が滑ったら缶ジュースの中身が着ぐるみの背中に流れ込んで くるんだよ!?」 「不幸な偶然が重なっただけよ。アンタにはよくあることでしょ」 「あのなぁ!」 「だから謝ってるでしょ。お詫びに身体を拭いてあげるから私達の控え室にいらっしゃい」 「でも、俺はこれから姫神の……」 「いいから来なさい!!」 「ちょっと待て。イテッ!耳を引っ張るな。わっ!御坂妹まで、きゃあ──────」 あっけにとられた姫神秋沙が我に返ったのは上条の悲鳴を断ち切るように御坂達の控え室 のドアがバタン!と豪快に音を立てて閉じられた後だった。
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し 序章 ③罪と不幸 一方通行と戦った少年…上条が目を覚ますと、 そこには上条が救った少女の一人…美琴が上条のベッドに伏すように眠っていた。 その顔には一筋の涙が零れた跡があり、うわ言のようにお兄ちゃんと寝言を言っている。 「本当は気付かないでいてくれた方が良かったんだけどな」 上条は独り言のように呟いた。 すると上条の声に反応するように美琴が目を覚ました。 「お兄ちゃん?」 「うーん、最近までアンタが馬鹿だったのが お兄ちゃんに急に格上げとは…」 「お兄ちゃん、私…」 美琴は俯きながら呟くように言った。 その表所には翳りが差している。 上条は美琴が何を言わんとしているか、辛いほどよく分かった。 話によると絶対能力進化の実験は凍結に追い込まれたらしい。 それでも1万人以上の命が失われた。 それを美琴は心の底から悔やんでいるのだ。 慰めるのは簡単だ、美琴に責任は無いと言ってやればいい。 でもそれじゃあ本当に美琴を救うことにはならない。 本当に美琴を救うためには美琴自身が自分の闇と向かい合わなければならなかった。 「無責任なことは言えないけどさ、 やっぱり美琴は死んでいった妹達のためにも 今回の件から目を逸らしちゃいけないような気がする」 「…うん、分かってる。 ちゃんと私の罪は一人で背負っていくつもりだから」 美琴の言葉には少し悲壮感が漂っているものの、強い決意を感じさせた。 美琴は決して自分の過去から逃げるようなことはしないだろう。 でも美琴が抱えるものは一人で背負うにはあまりに重い。 だから上条も覚悟を決める、不幸を背負うことの辛さは誰よりも知っていた。 「一人だなんて言うな。 美琴のことを本当に心から理解して支えてくれる人間が現われるまでは、 俺が傍にずっと一緒にいてやる。 だから辛い時は自分を押さえ込むようなことはするな。 死んでいった妹達の分も、お前が泣いてやれ」 上条の言葉に美琴は言葉を詰まらせ、その瞳には涙が溢れ返っていた。 美琴は上条の胸に顔を埋めると堰を切ったように声を上げて泣いた。 そんな美琴のことを上条は黙って優しく抱きしめるのだった。 「落ち着いたか?」 「…うん」 上条は泣きやんだ美琴を抱きしめる手を緩めると… 「あの、もう少しだけでいいから抱きしめてて。 今はお兄ちゃんの温もりを感じてたいの」 「ったく、昔から美琴は変なところで甘えん坊だな」 そう言って上条は再び美琴を抱きしめ直す。 すると美琴は上条に抱きしめられた体勢のまま言った。 「でも、どうして学園都市で初めて会った時に名乗ってくれなかったの? お兄ちゃんは私のこと気付いてたんでしょ?」 「名乗るも何も、いきなり電撃を放ってきたのはそっちじゃねえか?」 「それは、お兄ちゃんが失礼なこと言ったから…」 「だからって電撃はねえだろ」 「…何となくだけど、心の何処かでお兄ちゃんだってことに気付いてたんだと思う。 それで、お兄ちゃんにだけは失礼なことを言われたくなくて」 「何で俺には失礼なことを言われたくないんだ?」 「そ、それは」// 何故か顔を赤くする美琴に上条は疑問を感じる。 そして上条にあまり深く追求されたくない美琴は話題を元に戻そうとする。 「でも その時以外にも名乗る機会はいっぱいあったでしょ?」 すると今度は上条が黙ってしまう。 その表情には先ほどまでの美琴と同じく翳りが差していた。 美琴を抱きしめてる上条の手が震えていた。 そして上条はボソっと呟くように言った。 「…美琴が俺に関わって不幸になるのが恐かったんだ」 「え?」 「俺の過去は知ってるだろ? 俺にとって美琴と過ごした日々は光だ。 だから思い出は思い出らしく輝いたままにしておきたかった。 俺と関わって美琴との思い出が不幸なもんに変わっちまうのが嫌だったんだ」 上条はそう言って美琴を抱きしめていた手を離す。 美琴は上条の言葉に、昔 上条と最後に遊んだときの表情を思い出した。 幼い時は分からなかったが、あの時 上条は既に限界だったのだ。 今の自嘲するように笑う上条の顔は、あの時の表情とよく似ていた。 (昔からお兄ちゃんはいつも私のことを助けてくれた。 そして今回も… だから今度は私がお兄ちゃんを助けてみせる!!) 美琴は手を離した上条の代わりに上条のことを抱きしめ返した。 「美琴?」 「お兄ちゃんはさっき 私のことを理解して支えてくれる人が出来るって言ってたけど、 私はそんな人は現われなくていい。 お兄ちゃんさえ傍にいてくれればいいの」 「でも、俺は不幸で…」 「お兄ちゃんが罪を背負った私を支えてくれるように、 私も不幸を背負ったお兄ちゃんを支える。 それだったら お互いの立場も関係もイーブンでしょ?」 「いや、そういう問題じゃなくてな」 「私がそう決めたの、これから私達は一心同体。 何があっても私は当麻のことを支えるから、 何かあったら昔みたいに当麻も私のことを助けてね」 「何故に急に呼び捨て?」 「言ったでしょ、立場も関係もイーブンだって」 美琴はそう言って上条に向かって微笑みかける。 その笑顔を見て上条は不幸に襲われる前の、 純粋に善意から人助けをしていた時の記憶を思い出す。 今の上条は偽善使いを称して、 困っている人を助けるために何かやったという慰めのためだけに動いていた。 だが美琴を襲っている闇を知った時、上条の中で昔あったものが再び芽吹いた。 (昔はこうやって誰かの笑顔を見るのが大好きだったんだよな。 そしてその中でも美琴の笑顔が一番… …例え俺が不幸でも大切な人の幸せを支えるくらいは許されるよな?) 上条は自分を抱きしめている美琴の背中に手を回す。 「分かったよ、俺はもう自分の不幸からも美琴からも逃げない。 それに、こんなに可愛い女の子が支えてくれるのに不幸だなんて言えないしな」 「うん、私が絶対に当麻のことを幸せにしてみせるんだから!!」 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある2人の放課後喫茶店 日常編 「いらっしゃいませ~」 まだまだ残暑厳しい9月初旬、平日の午後。 ここは第7学区の表通りに面した瀟洒な喫茶店。 その窓際のいつもの席。 「すまん、待たせたか?」 と遅れてきた少年、上条当麻。 「少しね。だから今日はアンタの奢りってことでよろしく」 さも待ちくたびれたかのように、グラスのジュースをストローで飲む御坂美琴。 いつの頃からか、2人は時々こうしてこの店のこの席で待ち合わせるようになった。 「げっ……マジで?」 そう言って一瞬固まった上条。 その顔をちらりと見て、にやりとする美琴。 「マジで! それとも何? また罰ゲー……」 「わかりましたっ! お願いだからそれ以上言わないで」 そう言って椅子にへたり込んだ上条は、近づいてきた店員に「アイスコーヒー」とだけ伝えると、そのままテーブルに突っ伏した。 「何へばってるのよ」 「また朝からいつもの不幸続きって言うか、トラブル続きでさ。今日はほんと、呑まず食わずなんだよ」 「ふうん……」 「で、今日は5時にタイムセールだから、それまでの時間つぶしだぞ」 ふうっとため息をついて、お腹をさすっている上条。 その姿を横目に、いつものように柔らかな笑みを浮かべる美琴。 「でもアンタ、それでアイスコーヒーだけって、お腹空かないの?」 「しゃあねえよ。貧乏な上条さんは一番安いメニューしか頼めませんのことよ? はぁ、腹減った……」 上条のその言葉に、少し逡巡していたような表情の美琴が、やがて意を決したように、おずおずと切り出した。 「――ねえ。だったら今から晩御飯作ってあげよっか? ここの奢りのお礼ってことで」 「え? でもお前、料理出来たの?」 「あたりまえじゃない! 心配なら実際に食べてみなさいよ。――じゃこの後、食材買い出しに行くからね!」 「っていうか、お前が料理するのって決定なのか?」 「いいの! わ、私の料理の練習だと思って、付き合いなさいよ。あの子の分も含めて試食付き、食材費負担無しってことでオッケー?」 「それでもなあ。なんか気が引けるっていうか……」 「――ダメ?」 「――ダメじゃないです……」 美琴から上目遣いに迫られて、上条はあっさり陥落する。 テーブルの下でグッとガッツポーズを決めた美琴だった。 「それじゃ、今日のセールの目玉を教えなさいよ」 「えっ? お前、そっちも行ってくれるのか?」 本当に? と何かを期待するような表情の上条。 そんな彼の気持ちを見透かしたかのように、美琴はさも当然と言った顔をする。 「当然じゃない。アンタもどうせ、今日のセールでメニューを考えるんでしょ?」 「まあそうなんだけどさ。――今日は鶏もも肉おひとり様2パック限り150円と、キャベツ1個限り78円。それと卵1パックで68円だな」 「2人で行けば余分に買えるわよね? メニューは……、卵と鶏肉なら親子丼といきたいところだけど、キャベツがあるから、鶏のから揚げでどうかしら?」 「異存ございません。ていうか、お前、セールなんて初めてじゃないのか?」 「だからそっちはアンタに任せるわよ。私はそれ以外の買い物をするから。揚げ油とか、から揚げ粉とかもいるでしょ? それにあの子のおやつだって」 「――俺、今週、ホントに金、無いんだよ……」 ため息と共に、がっくり肩を落とす上条。 そんな彼を慰めるかのように、美琴が声をかけた。 「気にしないで。今日の買い物代ぐらい私が出すわよ。追加したってそう変わらないんだし。それよりアンタは黙って食べてさえくれればいいのっ!」 「でもやっぱりなぁ。ちょっと気が引けるというか……。でもまあ、お前がそこまで言うのならいいか」 「なによ。私の料理じゃ不満なわけ?」 「いや違うって。あーわかったからそんなにビリビリすんじゃねえ!」 「ふんっ。なんならアンタの分、全部あの子にあげちゃってもいいんだけどぉ?」 「お奉行さまーー! お慈悲ーー! はらぺこのままで寝るのはご勘弁ーー!」 そんな上条のリアクションに、くすっと笑う美琴。 彼女のいつもの笑顔に、つられた上条の顔にも笑顔が浮かぶ。 「そんなに気が引けるんだったら、今度の休みの日にちょっと付き合ってよ」 「ほほう。ミコっちゃんは上条さんにカラダで返せと?」 「っ!? カッ、カカ、カラダでってアンタっ! ばっ、馬鹿なこと言ってんじゃないわよっ!! それにミコっちゃん言うな!!」 上条の言葉に、真っ赤になる美琴。 そんな彼女を見て、にやにやとする上条。 「わははは。ま、ご飯のお礼に、どこへでもお供しますよ、わんわん!」 「わんわん、じゃないわよ。アンタは桃太郎の家来かっての、まったく。――もう、人の気も知らないで……」 「ん? なんか言ったか?」 「言ってませーん。それはそうと、そろそろ行かないと間に合わなくなるわよ?」 「んだな。じゃ、そろそろ行くとしますか」 わいわいと言いながら、肩を並べて店を出て行く上条と美琴。 「ありがとうございましたー」 そこは2人の馴染みの喫茶店。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある2人の放課後喫茶店
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とあるりんう【登録タグ KOUICHI VOCALOID drm と まらしぃ 初音ミク 曲 曲た 粗品 藍瀬まなみ】 作詞:粗品 作曲:まらしぃ 編曲:KOUICHI 唄:初音ミク(調声:drm) 曲紹介 まらしぃ氏と霜降り明星の粗品氏によるコラボ曲。 まらしぃ氏のアルバム『シノノメ』収録曲。 調声をdrm氏が、絵画を長谷梨加氏が、動画を藍瀬まなみ氏が手掛ける。 歌詞 (動画説明文より転載) うるさい うるさい 誰も喜ばない セミが5匹鳴いてた方がマシ 暗い 暗い センスの無い霖雨 エニグマティックにさ 踊ろう魂 ここは私 最後に任されたい 色にまみれた 第七感 悲しい 他に他に意見があるものは? 濡れる袖の音 逆に愛しい 取って付けた 雑な誠意 洗濯して 乾燥して 家に返すわ グランロスの 魔女が笑う 「そうですか(笑)」 星の癖に偉そうだ ふざけるなこれは 後で大事 伏線になる どうしよう! この感情は! きっと 苦しい悔しい哀しい淋しい ハズレ ハズレ 残念また今度 引き出しから見えるギグが欲しい ハズレ ハズレ 残念また今度 素朴なプライバシー 祝詞は時に不吉 不吉 短絡的な妄想 青春を賭けた楽器眺め 壊れてる 晴れないな 昨日から 空ばかり見て 特別な 部屋の隅 私はここにいる 星の癖に偉そうだ ふざけるなこれは 後で大事 伏線になる どうしよう! この感情は! ああ 嬉しい楽しい優しいほんとに? 星はいつも嘘つきだ とんでもない夢 語ってほら むき出しでほら どうしよう! この感情は! きっと 苦しい悔しい哀しい淋しい いつだって空の色が正しぃ コメント 名前 コメント
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十一月二九日、午後四時 「今日は久々に肉料理でも作ってやっかな」 ゴミ一つ無い第七学区の歩道を、とある不幸な少年が学生鞄を持って歩を進めていた。 少年が持つ鞄には携帯から付け替えたカエルのストラップがぶら下がっている。 「昨日は野菜炒め、一昨日はもやし炒め……野菜ばっかだ。よし、今日肉決定」 インデックスには第三次世界大戦で大変な思いをさせてしまったので、たまには奮発しなければ、 と早歩きでスーパーに踵を向ける。 (牛肉……は高い。豚肉で我慢してもらうか) 居候の少女は、食料を出せば何も言わずに口を動かすタイプなので、多少安い肉でも問題はないだろう。 「残金千五百円……ギリギリ二人分(+猫一匹分)ぐらい買えるな」 氷河期に突入しそうな財布を確認しながら、前方不注意で歩いていると、 ぼんッという音と共に、背を低くして歩いていた上条当麻の顔に何かに激突した。 なんだ?、と顔を上げると、 目の前に白くて柔らかいものがあった。一瞬の間を空けてそれがTシャツの白だと理解し、 ついでに女性の胸だという事も分かってしまった。 「なっ!!?」 慌てて顔を上げて、被害者女性に対して速攻土下座モードに切り替えようとする。 なんか、最近土下座してばっかだな、と思春期男子が若干泣き目で凹んでいると、 「……久しぶりに会った相手に、まず最初にする行為が土下座ですか? その性格は相変わらずのようですね」 聞き覚えのある清楚で落ち着いた口調に顔を上げると、そこに居たのは、 「……神裂?」 「お久しぶりです、上条当麻。学園都市というのは無駄に広いので今日中には会えないかと 思っていましたが、幸運です。唐突ですが、ちょっとお話したいことがあるのですがよろしいですか?」 第3次世界大戦後、上条当麻の不幸な日々が再び幕を揚げる。 同時刻、第一〇学区廃ビル内 「あァ?仕事?今、終わらせたとこだよ」 『いえ、それではなく新しい『仕事』です』 元オフィスビルの三階の一室。学園都市七人のレベル5の一人、一方通行(アクセラレータ)は、 いかにも面倒くさそうに携帯を握っている。 そして、その周りには二〇人強の屈強な男達が散らばっている。 「学園都市にクーデターを起そうとした少数派のクズ共の殲滅……『仕事』は終わらせた。 まだ、何かあンのか?」 『ええ。土御門も別途で行動します。まあ、『仕事場』までは、少々、遠出ですが』 電話の相手は一方通行の所属する『グループ』のメンバーの一人、海原光貴。一方通行と共に 裏の世界に生きる人物の一人である。 「めンどくせェ。また、あの『電話の男』か」 『いえ、伝えてきたのは『その男』ですが、なんでも今回の仕事は学園都市統括理事長からの 直々の指令だとか』 (統括理事長から直々に……どォゆう事だ?) 一方通行は統括理事長と聞くと、あまり記憶を掘り返したくないことが有るのだが、 それから言われた『仕事』というのは少し興味がある。 「……で、その『仕事』ってのは一体どォゆう物なンだ?遠出ってのも気になるしな」 『はい。今回の『仕事』は『原石』への接触、及び調査です。』 (『原石』……という事は、「外」での仕事か。) 「『原石』への接触か……別に構わねェが、どォして『回収』じゃなく『接触』なンて 回りくどい事オーダーしやがるンだ?上層部のクソ共は」 学園都市なら『接触』などと面倒な手は使わずに、迷わず『回収』に走るはずだ。 それを態々『接触及び調査』など控えめな注文を出すのだろうか。 『それに関しては僕も『電話の男』に尋ねたのですが、「お答えできません」と一蹴されて 電話を切られてしまいました。黙って仕事しろ、という事なのでしょう。』 「ち、めンどくせぇ。で、その『仕事場』ってのはどこにある?」 『先ほども言ったように少々遠出ですが』 『イギリスです』 上条とは違う場所で白き最強が動き出す。
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とある三月の雛あそび 「あ、あのっ」 人影が少ないランベス区のある通りに、声が響く。 声をかけられた人物、赤く染めた長髪の神父が振り向くと、わりと小柄な女性がそこに立っていた。 二重まぶたが印象的な、なかなか可愛らしい少女である。 「何か?」 神父が咥え煙草を揺らしながら答えると、 「とっ、突然すいません! あのっ、ステイル=マグヌスさんですよねっ!」 緊張した面持ちで少女が言う。 その、名前。 少女の語る言葉に対し、目を細めながら口を開く。 「失礼だが、人違いでは?」 無論、瞬時に発動できるよう術式は待機させたまま、さり気なく袖口のルーンのカードに手をやって答える。 「あっ、すっ、すいません! わたし、天草式にいる者ですっ!」 ステイルと呼ばれた男の様子に気づいた少女が慌てて自分の身を明かす。 それを聞いたステイルは緊張をやや緩めながらそれでも訝しげに問う。 「何か御用が?」 己が属する『必要悪の教会(ネセサリウス)』の傘下にあるとはいえ、微妙な関係にある天草式のメンバーとは、 それほど交流がある訳では無い。 それでも、英国紳士の一員としてレディに対する最低限の礼儀は弁えるようにする。 「こっ、これをっ」 そんな彼に対して、少女はポケットから小さな包みを取り出すとおずおずと差し出した。 「………」 差し出されたそれを前に、ステイルの動きがしばし固まる。 ややあって、 「いや、その、ぼくは、こういうことは……」 しどろもどろな答えをするステイルに対して、少女が慌てて語る。 「あ、いえっ、これ、あなたにじゃなくてですね……」 言われたステイル、内心では安心したのかがっかりしたのか複雑な気分だが、そこはそれ、英国紳士の一 員として接する。 「学園都市に行かれるって聞いたので、これを届けて欲しいんです」 「………」 自分の受けた任務が協力関係にあるとはいえ、外部に漏れていることに対して色々と言いたい事はあるが、 「まあ、いいだろう、どのみちついでだからね」 「ありがとうございます!」 「で、誰に渡せばいいんだい? あと、一応中身の確認をさせて貰ってもいいかな?」 その問いに、少女は顔を赤らめてもじもじしながら答える。 「あ、中身はお守りみたいなものです。届け先は、上条当麻という方に……」 少女の反応と相手の名前を聞いたステイルの胸中に様々な感情が浮かんでくるが、英国紳士の(以下略) 「分かった中身の確認はもう結構だこれは確実に彼に届けようああ中身が何であろうと構いはしないさむしろ 僕としては奴が日頃の振舞いを思い返すようなものだといい位だがね」 言うと素早く少女から包みを受け取ると返答も待たずに立ち去っていく。 ………いや、英国紳士として振舞えてませんよステイルさん? 預かった包みを懐にしまいながら歩いていると、後ろのほうで『どうでしたか五和?』『彼はちゃんと届けてく れるんでしょうか?』『まあ後は無事に受け取ってもらえればいいだけですし』『チョコのときは芳しくなかったで すがこれはあくまで保険ですしね』『いやいやこんなまどろっこしいことをしていないでもっと直接的にいくべき では?』などという声が聞こえてくるような気もしたがまあ気のせいだろう。 そう、自分はあくまで英国紳士として振舞うだけである。 預かった荷物は確かに学園都市にいる少年に届けよう。 まあ、その後で炎剣の一本や二本くらいは叩き込まないとこの気分は収まらないだろうが。 「ふ、ふふふ、待っていろよ上条当麻。学園都市に行く楽しみが一つ増えた気分だよ」 昏い笑みを浮かべながらステイルは空港への道を歩いていく。 まあ、その後学園都市に降り立ったステイルが上条に対して渾身の力で炎剣を叩き込もうとするも、持たさ れていた包みの中にあった人形(デフォルトにデザインされた上条に似たもの)が突如上条への攻撃を全て防 ぎ、しかし驚くステイルの前でその人形に右手で触れたために人形に掛けられていた厄災除けの効果が消え 去り、ステイルからの攻撃は自分には届かないとたかをくくっていた上条が『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』に追 いかけ回される羽目に合ったりするのは別の話しであるとか無いとか。
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/育児日記 イヤだ 「……いや、すまないね」 「気にしないで」 とある研究室は段ボールだらけだった。 そこにいるのは木山春生と御坂美琴。 ついに教員として働くことになった木山は、研究所の私物を新居に移動させていた。美琴たちはその手伝いである。 風紀委員の二人は後で合流。春上や絆理、佐天は新居の掃除をしているはずだ。 美琴としてはここよりも家でインデックスたちと遊びたかったのだが、半円の形をした上条の目にしぶしぶ出てきたのだった。 まあ、白井たちと遊ぶのも久しぶりだし、木山が教員になったのは本当にうれしいため、文句はまったくない。 いや文句が1つあった。 「しかし、暑いわね」 8月の夏真っ盛り。 でも埃対策で窓は全開。 電気は解約済みでエアコンは使えないのだった。 やってられないのである。 置いてあったクーラーボックスの中のコーラを1つ拝借するくらい許して欲しい。 蓋を開けて一気に口に注ぎ込む。 「っ!! まずっ!!!!!」 口の中で納豆ときな粉とブドウが大戦争している味がする。 いちごおでんのほうがまだましなのだった。 「な、なによこれ~~」 「ん?」 隣の部屋から段ボールを抱えて出てきた木山は、しかめっ面した美琴を見る。 ガシャン という音が響いた。 木山が段ボールを落とした音である。 中身は大丈夫か? なんて美琴は考えるが、 木山の動揺した表情を見て?が頭上に浮かぶ。 しかし、次の木山の発言で、顔を木山以上に真っ青にするのだった。 「ま、まさか、それを飲んだのか!!?」 「成果なし……か」 上条宅で、携帯のメールを見て上条はぼやく。 インデックスを元に戻すために世界を走り回ってるステイルからの連絡だった。 今日も成果は無かったらしい。 とはいえ、実は上条はこのままでもいいような気がして来ていたのだった。 上条にとってみれば、そんなに状況は変わっていない。 十何年かすればインデックスもどうせもとに戻るし。 死ぬわけではないようだし。 「……ま、コイツ自身が望んでないかもしれないけどな」 ひょい とインデックスを高い高いする。 自分の幸せと、彼女の幸せが一緒とは限らない。 ……ん? 自分の幸せ? 何かがひっかかったが、インデックスの声に意識がそれる。 「まぁ、まーま?」 「ん? ああ、ママはお友達と遊んでるぞ」 高い高いしていた腕を戻す。 「中学3年の夏休みは1度きりなんだ。友達と遊ぶのだってさぼっちゃいけないだろ」 上条も一緒にいたいという気持ちはわかるのだ。 しかし、今しかないこの夏を、きちんと満喫してほしい。 「15歳の夏が二度あるわけじゃないんだ。できることはやっておきなさいよー」 上条はここにはいない少女にやさしく、囁くのだった。 が、 その静寂は、ドアを思いっきり開ける音でぶち壊された。 駆け込んできたのは。 「大変!! 当麻!! わたし、このままだと赤ちゃんになっちゃう!!!」 なんか一回りちっこくなった美琴なのだった。 彼女はもう一度15の夏を経験する裏技を発見してきたらしい。 涙を浮かべる美琴と、 いびつな顔で固まる上条。 そしてそんな状況もきゃっきゃと楽しむインデックス。 上条の例の言葉がむなしく響いた。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/育児日記